◆メビウス千葉の生い立ち

メビウス千葉は平成25年8月26日に市民活動団体として設立した、入寮型の回復支援施設です。

設立当初から、主に下総精神医療センターで、条件反射制御法の初期ステージを終えた人を対象に受け入れ、維持作業の支援を行うほか、生活支援、就労支援、個別相談を行ってきました。

平成28年12月27日に特定否営利活動法人になりました。これまでに95人を受け入れ、現在32人(男性21人、女性11人)が在籍しています。(令和2年7月31日現在)現状では、国の各種福祉施策の外にあり、行政からの支援は受けられていません。現在、何らかの公的支援を受けられるよう体制作りをしているところです。

◆メビウス千葉の特色

メビウス千葉では、行動制御に障害を持つあらゆる人を受け入れています。嗜癖行動に障害を持つ、あらゆる人を受け入れています。

嗜癖行動別に見ると、設立当初は覚醒剤使用障害が大半を占めていましたが、現在では病的窃盗(摂食障害を併発している人を含む)が最も多く、次いで覚醒剤使用障害、アルコール使用障害、性嗜好障害、その他の薬物使用障害、その他(ストーカー行為、病的賭博、心的外傷後ストレス障害、病的放火、他)と続きます。

◆メビウス千葉の入寮条件

①条件反射制御法(CRCT)の入院治療を終えて、維持ステージを行うこと、またはその予定がある人。

②反社会勢力との交流が無いこと。

障害(身体、知的、精神)の有無は問いません。

◆メビウス千葉が行っている支援

メビウス千葉で行っている支援は、

①居住場所の提供

②食事の提供

③ミーティング

④維持作業支援

⑤個別面談

⑥各種手続き支援

⑦日常生活、就労支援等

です。

これらの支援は、もちろん入寮者が自立した生活をする為のものですが、一般の障害者福祉とは根本的に違うところがあります。それは、問題行動を起こさなくなることを最優先に考えていることです。長い間矯正施設又は病院で暮らしていた人の多くは、早く就職して自立したいと考えていますが、問題行動がなくならないまま就職したり、自分の体力や社会的スキルを過信して就職してしまったりしたことにより、維持作業が疎かになって再犯してしまう例が後を絶ちません。本当の意味での「自立」とは、「自律」すなわち自分を制御する術を身に着けてこそ現実しうるものであり、先に述べたように単に就職して一人暮らしをするようになっただけでは自立しているとは言えません。実際「メビウス千葉に居ても就職させてもらえない」と言って、去っていく人が居ます。確かに、「就職して自分で稼いだ金で生計を立てる」ことは大切ですが、そうなる前に社会で生活するための基本的な能力(規則正しい生活リズム、コミュニケーション力、持続力、金銭管理等)が身についていなければ、就職しても長続きしないか、ストレスに耐えられず再犯してしまうことになります。残念ながらそのことに気づかずにメビウス千葉から離れて行ってしまう人が多いのも現状です。

◆メビウス千葉の職員構成

現在のところ、理事兼施設長を除けば正規雇用の職員は3名です。

メビウス千葉では職員をサポートする目的で、入寮者の中から数名が準職員として他の入寮者の支援を行っています。

また、食事を作ったり、病院などへの送迎車の運転をしたりする人もいます。職員だけでは賄いきれないところを入寮者が補っています。入寮者がお互いサポートし合う事により、連帯意識が芽生え、共に前進していこうという意欲が生まれます。

「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」